こんにちは
臨床心理士・ヨガインストラクターの平塚梓です

妊娠中の思い出

長女がお腹の中にいた頃のお話です。

仕事のあと、所用があり電車に乗っていました。
時間は17時半頃だったでしょうか。

まだ帰宅ラッシュには早く人はまばら
でも座れるほど空いてもいない車両の中
私はつり革に捕まって立っていました。

すると少し離れたところから、
ガタイのよい若いお兄さんが近づいてきます。
お兄さんは短髪で金髪、肌の色は浅黒く、
ピタッとした白いTシャツと短パンを身に着け
両腕にはびっちりタトゥーが刻まれています。

「えっ…」と少し身構えたところ
「どうぞ、座ってください」と。

そのお兄さんは自分が座っていた席から
わざわざ私のところまで歩いてきて
席を譲ってくださったのです。

一瞬でも「こわっ…」と思ってしまった
自分が恥ずかしく、でもとても嬉しく
「ありがとうございます、助かります」と
有難く座らせていただきました。

実はその頃
「マタニティーマークを付けていて嫌がらせをされた」
という話題がニュースなどでよく取り上げられて
いました。

私もいざという時に備えてマタニティマークは
付けていたものの、見せびらかすものでもないし
なんとなく隠すように持っていたりしました。

でも当然ながら、優しい人だっているんですよね。
というか、たぶん優しい人の方がずっと多い。

長女イヤイヤ期、次女抱っこ期の思い出

次女が0歳、長女が2歳くらいの頃です。

次女は常に抱っこ紐。長女は絶賛イヤイヤ期で
毎日出かける度に「行きたくない」とゴネます。

だけど予定があれば出かけるしかない。
小さい子を2人連れて出かけるので
オムツや着替えやおやつに水筒、荷物はパンパン
でもゴミの回収日だからゴミも捨てたい。

そして長女は歩かないと言う

それでも「母は強し」
私は抱っこ紐で次女を抱き、リュックを背負い
小脇に泣き叫ぶ長女を抱え

反対の手にゴミを持って、いざ!出陣!!
(↑全然大げさじゃなくそんな気持ちでした)

とりあえずゴミを捨てようと歩いていると
知らないおじさんが向こうから歩いてきて
「捨てといたろ」と私のゴミ袋を攫って行って
しまいました。

突然のことにびっくりしたものの
「ありがとうございます!助かります!」
とおじさんの後ろ姿に叫びました。

おじさんには、さぞかし私が大変そうに
見えたのだろうと思います。
いや、実際大変だったのですが。

でも「大変そうだなあ」と思っても
そこから実際に手を貸してくださる人って
多くはないと思うのです。

このことがあって、私も困っていそうな人
大変そうな人には、自分から声をかけてみようと
思えた出来事でした。

「世の中」は案外優しい

私は妊娠中や子どもが小さい頃に
見ず知らずの方に助けていただく機会が多く
「世の中悪くないじゃん」「みんな優しいな」
とありがたい体験をさせていただきました。

でも、もし逆だったらどうでしょう。

マタニティーマークを付けていて嫌がらせをされたり
小さい子ども連れで歩いてるときに
迷惑そうな顔をされたり、文句を言われたり。

そうなると
「世の中怖い人ばっかりだ」「みんな冷たい」
と感じてしまっても仕方ありません。

よく言う「世の中」とか「世間」って
実はほんの少しの具体的な人や出来事から
作り上げられているものではないでしょうか。

身近な世界が優しく安心できる場所だと
「世の中」も安心できる場所のように感じるし

反対に身近な世界が脅威や暴力に満ちていたら
当然「世の中」も危ない場所で
信頼なんてできないでしょう。

私はたまたま周りに恵まれていたけれど
そうじゃない人にとって「世の中」「世間」は
ひどく冷たいものかもしれません。

例えば不登校や引きこもりの人は
それまでの人生でいじめやトラブルを経験して
「世の中」を信用できなくなっているのかも。

一人で引きこもっているように見えても
実は心の中で「悪意ある他人」に囲まれていて
ひどく怯えているのかもしれません。

すべての人の「世の中」を、優しいものに変える
ことは私にはできないけれど

せめて手の届く人たち、家族や友人、仕事仲間
カウンセリングやヨガに通ってくださるみなさん
その人たちにとっての「世の中」が怖いもので
なくなりますように。

私がこれまで受け取ってきた「優しさ」を
渡していければよいなと思っています。

なんだかすごく真面目な、良い人そうなことを
書いてしまった。。。
本当はイライラして八つ当たりしてしまったり
することもあるのですが(笑)
でも、今日ふと席を譲ってもらった日のことを
思い出したので、ツラツラ書いてみました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

メンタルヘルス_ブログ

 

 

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